どうしたら退職者を減らせるの?300社の事例から学んだ「人が辞めない、活躍する」会社のオンボーディング施策とは。
★こんな人におすすめ★
・採用担当の方
・社員がすぐ辞めることにお困りの方
・人事は関係ないけどちょっと気になったあなた
★こんなことが書いてあります★
・オンボーディングって何?
・定着率の高い会社がやっていること
・今すぐできる実践例
突然ですが「オンボーディング」って言葉、聞いたことありますか?
エン・ジャパンが採用担当者向けに実施した調査では、「オンボーディング」を内容も含めて知っているという方は18%でした。5人に4人の方は知らないということです。
■「オンボーディング」って何?
「オンボード」とは「ボード(船の甲板)にオンする(乗る)」こと。乗組員として仲間になることです。つまり会社やチームに新しく入ることを意味します。
これに~ingをつけた「オンボーディング」は、「新しい仲間をチームの一員として受け入れて定着・戦力化させること」です。
「オンボーディング」の取り組みは、例えばこのようなことです。
・出社初日にメールアドレスのアカウントをきちんと用意している。
・必要な情報に迷わずアクセスできるようにしている。
・昼食時には先輩社員からの歓迎ランチを用意している。
・仕事を覚えるまでのOJTや研修を準備している。
入社後活躍研究所「中途入社者に活躍してもらう秘訣とは?中原教授に聞いた『中途入社者の早期戦力化』」より引用
■自己紹介
申し遅れました、越田と申します。エン・ジャパン&HR業界歴18年です。キャリアのスタートは営業でした。そのあと商品企画や販促、人事として新人研修や入社後フォローなども経験してきました。
いまは転職した人全てが活躍できる世界を作る!をビジョンに、商品開発やサービスの運用に日々勤しんでおります。
これまで300社以上の企業の定着支援を行ってきた事例を踏まえ、「オンボーディング」に関する取り組みをご紹介できればと思います!
※以下の記事でも早期離職について話しています。よろしければどうぞ!
・・・ハイ、それでは本題に戻りましょう!
■オンボーディングに力を入れるメリット
ずばり、「定着」と「活躍」です。
◎「定着」
オンボーディングに力を入れたことで、入社早期の離職率が激減した事例をよく聞きます。
◎「活躍」
「今までよりも早く一人前に成長してくれた」「入ったばかりとは思えない成果を上げてくれた」といったお話も多いです。
その他にも、
・採った人がすぐに辞めるという悪循環を断ち切って採用費削減に!
・退職続きの職場に疲弊していた現場社員が、すっかり元気に!
・社員の口コミが良くなって、良い人からの応募に集まるように!
オンボーディングに取り組むメリットは、測り知れません。
■今日からすぐにできる「オンボーディング施策」って?
「メリットは分かったけど、大変そう・・・」
いえ!そんな心配は必要ありません。取り組みやすい事例を2つご紹介します。
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◎入社初日ランチ
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「入社初日の歓迎ランチ、すでにやってるけど・・・」という声も聞こえてきます。でも、どれくらい徹底できていますでしょうか?
歓迎ランチを配属先に任せていると、いそがしい時期に後回しになったり、やっつけ仕事になってしまうことがあります。
既存社員は「それくらい、いいじゃん・・・」と思うかもしれませんが、入社者にとって入社初日という日は一生に一度しかありません。自分は歓迎されていないのかな、といったマイナスの第一印象を元に戻すのは大変です。
そこである会社では歓迎ランチが確実に行われるよう、採用担当者が配属先の上司・同僚のスケジュールをおさえてしまうという取り組みを実施。どうしても外せない予定がある場合には代理を立てるというルールで徹底したところ、入社初日のランチ実施率は100%をキープしているそうです。
また、「とりあえず手が空いてる人とランチをしたけど全く盛り上がらない!」ということがありません。参加メンバーを事前に決めるからです。仕事上で関わりの深い社員、入社者と趣味が合いそうな社員をアサインするのです。入社者の方にとって有意義な時間になっているとのことです。
入社者は自分が歓迎されている実感を持ちやる気が高まります。ちょっとした仕事の質問ができる相手もできて、業務を覚えるのもスムーズです。
あなたが人事や採用の担当者でしたら、参加メンバーを吟味しコーディネートしてみてください。もちろんオンラインでのランチも有効です。
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・質問タイム(ミニ1on1)※入社初日~最初の1か月程度実施
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入社者と上司の1on1を毎日行うとオンボーディングが成功しやすくなります。「毎日!?無理!」と思われましたか?実は1日たったの15分で良いのです。
ある心理学実験では1回60分の会話よりも、15分の会話を計4回行なう方がお互いキョリが近くなると言われています。
じゃあとりあえず時間をとって何か話せば良い?いえ、少し違います。15分間は以下の厳密なルールに沿うことが重要です。
<ルール>
一、必ず入社者が質問する!上司が質問に答える!
二、「思いつかないので質問はありません」はNG、必ず質問を用意!
三、質問の内容は会社や仕事に関することなら何でもOK!
★注意点(逆効果にならないために!)★
上司は出てきた質問に真摯に答える必要があります。以下にダメな例を列挙しておきます。
~ダメな例~
●上司が「そんなことも知らないの?!」という態度だと、入社者は委縮してしまいます。何も聞けなくなり関係性が悪化する危険も。
●上司が仕事の進捗を確認する時間にしてしまうのは✖。上司のための時間ではなく入社者の時間。仕事の報告は別に時間をとりましょう。
●質問と関係ないところで上司が長々とアドバイスをするのはあまり良くない。入社者は上司の武勇伝に付き合いたいわけではありません。
これって入社した人と上司との関係性構築にプラスなのはもちろん、実は入社者への教育効果もあります。なぜなら「質問することが強制」されているからです。
質問をするために入社者は主体的に会社や部署のことに興味を持って見るようになります。このように、入社者が会社理解を早く深めることにも一役買うのです。
■みんなで話そう
オンボーディング施策には唯一絶対の正解はないと思います。他社の取り組みを参考にしながら色々試すことで、あなたの会社にあった取り組みを見つけてください!
オンボーディングを採用担当者1人の力だけで実行するのは大変です。協力者も必要です。そこで、入社者を受け入れる現場の上司・同僚・先輩社員と一緒に、オンボーディングについて話してみることをおススメします。
人事、現場それぞれが実施できることを決めましょう。実行し振り返って効果を確認し、改善していきましょう。これを繰り返すことで御社のオンボーディング力(=採用力)が高まっていくと思います。
■まとめ
今回は「オンボーディング」という用語や、すぐに取り組める事例をご紹介しました。エン・ジャパンには前身の会社から含めて30年以上、採用・教育のコンサルティングを行ってきたノウハウがあります。今回の情報も蓄積されたノウハウの一つです。
私の所属するデジプロは、30年以上の採用・教育ノウハウと最新のテクノロジーやデザイン力を掛け合わせたHR techプロダクトを企画・開発しています。
興味を持たれた方はぜひお話しましょう!
最後までお読みくださりありがとうございました。
あっ!最後に、オンボーディングが簡単にできる、しかも3名まで無料で使えるHR techツールもご紹介しておきます!
ではまた!