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4歳娘「まだ調整役で消耗してるの?」|及川卓也さん(Tably)のPM勉強会があったよ

★こんな人におすすめ★
・PMになったばっかり!でも何やればいいか分からない人
・PMになりたい人
・おもわず気になって開いてしまった人
★こんなこと書いてあります★
・PMの失敗あるあると乗り越え方
・駆け出しPMがPMになったプロセス

プロダクトマネージャー(以下PM)とは、プロダクトの成功に責任を持つ人』と定義がありますが、実際に成功に導くのはどのようにすれば良いのでしょうか?

そんな悩めるPMのお悩みを解決するため、講師にTably株式会社の及川卓也さんをお招きして社内で勉強会(全3回・1回90分)が開催されました。PMに必要なスキルやマインドセットを体系的な知識として学ぶ機会は初めてだったため、私ごとではございますが非常に興奮していました。

↓様子

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及川さんといえばMicrosoftやGoogleといった企業で、さまざまなヒットプロダクトの開発に関わってきた、まさに日本のPMの第一人者といえる存在です。つまりレジェンドです。

そんな及川さんと共に「PMとは何か?」をディスカッションを交えながら理解を深めていくという....めちゃくちゃ贅沢な時間を過ごしてきました。

このnoteにて、勉強会の内容に関しては詳細にお伝えすることは残念ながらできませんが、心に残った金言を4歳娘と共に振り返っていければと思います。当たり前だけど、なかなかできないよなーを集めた感じの仕上がりです。しばしお付き合いくださいませ。

4歳娘との対話形式フォーマットは愛読している無職やめ太郎さん(本名)氏をリスペクトしています(心良くフォーマット利用のOKをいただき、ありがとうございます...!)

あなた誰

申し遅れました。エン・ジャパンにてHR OnBoard(離職リスク可視化ツール)Hirehub(採用管理システム)のPMをしているうのたつろう(@tatsuro_uno)と申します。

2018年で新卒で入社し、どちらのプロダクトもちょうど去年の4月くらいから携わっております。PM歴1年くらいです。

それでは、はじめましょう。


ミッションとビジョンを1秒以内に教えてください

4歳娘「パパ!武勇伝聞きたい!」

ワイ「おう!犬友マッチングサービスのイヌトッモをアップグレードさせた話でええか?」

4歳娘「うん!」

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ワイ「プロダクトマネージャーっていうのはな、プロダクトをアップグレードさせていく生き物なんや。そんでな、パパは担当者を立てて改善を始めたんや。」

ワイ「トンテンカンテントンテンカンテン。寝る間も惜しんでアップグレードをしていって、1年経ったらこんなに進化したんや!多機能だしデザインはちょっとグチャグチャしてきたけど、まだまだこれからやで!」

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4歳娘「ユーザーさんはslackユーザーが多いの?お散歩中に音楽聞く人どれくらいいるの?ペイに至ってはいつ使われるの?これらの機能って使われてるの?」

ワイ「そうなんや....実は全然使われてないんや...」

4歳娘「このプロダクトのミッションとかビジョンって何なの?」

ワイ「えっと前にみんなで作ったんやけど...えっと...ドキュメントドキュメント...ごめん、どっかいっちゃったやで...」

4歳娘「PMのパパがすぐに言えないってことは、メンバーのみんなも多分言えないんだろうね。」

ワイ「そうやな...」

4歳娘「ここが問題なんだと思うよ!まず最初にぶれない骨太な方針が組織に染み渡っていればよかったんじゃないかな?」

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ワイ「つまり?どいうことや?」

4歳娘「会社や事業のビジョンからプロダクトのビジョンとミッションに落として、それがプロダクトのチームに共通認識として持たれているか、ということだよ。誰の何の課題を解決して、どんな状態になって欲しいかが明確で、プロダクトのチームメンバーはいつ聞かれても答えられる状態になっていないと良いプロダクトは作れないって及川さんも言ってたよ。」

ワイ「なるほど!ありがとうやで!でもどうやってビジョンとかミッションを作っていったらええんや?」

4歳娘「リーンキャンバスとかインセプションデッキを作るといいよ!それを元に、定期的にビジョンやミッションは更新していくといいよ!」

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ワイ「サンガツっ!」

4歳娘「及川さんの会社のTablyが出してるnoteに良い記事があるの。見てね!」


ユーザーの行動に着目してますか?

4歳娘「パパどうしたの?暗い顔して。」

ワイ「1ヶ月前に付けた新機能がまったく使われないんや...なんでや...ユーザーインタビューもしっかりして、ユーザーが欲しいって言ってくれた機能をつけたのにやで....」

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4歳娘「なるほどねえ。ところで馬が移動手段だった時に、ユーザーインタビューやったら『車が欲しい』って言ってくれる人がいると思う?」

ワイ「まあ、いないやろな」

4歳娘「もっと速い馬が欲しいって言うと思うのね。本当にユーザーが欲しいものは『もっと速く移動したい』っていう課題の解決策だったんだよ。」

ワイ「なるほどやね!娘ちゃん頭ええな!」

4歳娘「でもユーザーは自分の欲しいものがわからないの。ユーザーが言語化しているのは氷山の一角。だから速い馬を売っても『まあ今の馬も悪くないし...』って考えてしまって買ってくれないんだよ。」

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ワイ「グウの音も出ないやで...でもどうやったら課題を発見できるんや?」

4歳娘「まず、ユーザーは嘘をつくのね。わざとじゃなくて、ユーザーも気がつかない間に嘘をついちゃうの。」

ワイ「おう。ならどうしたらええんや?」

4歳娘「ユーザーの言っていることじゃなくて、行動に着目するといいよ。ユーザーの行動を観察し、行動時の心理を理解することが大切なの。戦時中のナポレオンさんには戦車を提案したほうがいいかもね。」

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ワイ「なるほどやで!」


「調整」という言葉を使った時点であなたはもう

4歳娘「パパはプロダクトマネージャーとして具体的にはどんな仕事をしているの?」

ワイ「そうやなあ、関係者の意見とか調整かなあ。上からの要望に応えたりと大人は大変なんやで...」

4歳娘「パパ....調整という言葉を使った時点で主体性を失っていることに気が付いてる?」

ワイ「...ファ!?」

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4歳娘「パパは右から左に話をそのまま伝える伝書鳩になってるの。本質的には無価値な存在だったということだね!」

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4歳娘「もちろん調整が必要な状況も発生すると思うけど、その目的はあくまでビジョンの実現であり、その先のユーザーのためなんだよ。」

ワイ「グウの音も出ないやでえ....」

4歳娘「及川さんも『プロダクトマネージャーから発せられる言葉は、すべて自らが意思決定したものでなければならない』って言ってたよ。プロジェクトマネージャーとかディレクターとか他の職種でも言えることだね。」

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ワイ「そうやね...調整って言葉を使ってる時点でワイは失格や...特に緊急度が高いって言われると自分が納得しないで調整に回って進めてる場面が多いんや....あれはプロダクトマネージャーとして機能していなかったんやなあ...」

ワイ「ところで娘ちゃんは何者なんや?」

4歳娘「実はね.....メリメリメリメリ」

??「こんにちは」

ワイ「お、及川さん!?」

ハイージャンガジャンガジャンガジャンガ〜

さいごに:駆け出しPMとか存在しない

私が今回の勉強会に参加して一番大きかった収穫は、PMとしての自覚を手に入れたことです。

今まで私は自分の役割を「PM」と自称せず、「駆け出しPMです。」「xxの担当です。」「PMみたいなことしてます」と言っていました。私自身、PM的な動きはしますが、PMを自称して良いのかわからない..という状況だったからという背景があります。

なぜなら、私が担当しているプロダクトや他のいくつかのプロダクトは、さらに上に全体を見ている人間がいる状況だったからです。もうちょっと具体的にお話しますね。

弊社には岡田さん(@middleOkada)というツヨツヨPMがいます。組織全体を見ているマネージャーでもあります。よって、以下のようにいくつかのプロダクトは定期的に岡田さんとMTGをしながらプロダクトのKPIの確認、開発の進捗などを協議する時間があります。

問題は岡田さん(@middleOkada)の役割がPMなのか、何なのか言語化されていなかった点にありました(個人的にですが)

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↓岡田さんの日々の習慣に関するnote。変態かと思った。

及川さんの勉強会を経て、「PMはプロダクトの成功に責任を持つ人」という定義を...改めて咀嚼すると以下のような人と理解しました。

・一番そのプロダクトを知り、課題感を持ち。それに対するソリューションを持ち合わせている人。

・ソリューションがなければ、必要なステークホルダーを頼り、意見を引き出したうえで自分の口で自信を持って喋れる人。

ここで気が付きました。

確かにツヨツヨPMには知識や経験は上ですが、「少なくとも自分が今見ているプロダクトのことを一番知っていて、課題感を持っていて、それに対するソリューションを持ち合わせてるのは岡田さんじゃなくて、私じゃないか。」....と。

そして、「岡田さんはあくまでも意見をくれるステークホルダーの一人であり、プロダクトの成功のために活用する対象(利用とも言う)」である..と。

PMはPMとしてのプライドを持ち、それに伴う活動をする必要があると思いました。PMの品格を保つのはPMの使命。だから駆け出しPMだなんて自称したら負けなんです。

「私駆け出しPMなんです」じゃなくて、そのプロダクトを一番知っていて、課題感を持っていて、解決策を持っているならPMです。他の人にその役割はできない。あなたはPMなんです。

私はPMです。

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ちなみに....及川さんが代表を勤めているTablyさんのnoteには有益な情報がドバドバと書かれています。このnoteに書かれていることを体系的に読むことができます。おすすめはこちらとか、

こちらとか。

では!

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