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なぜ、人は転職する?『転職学』読書会から考える転職者インサイト


こんにちは。クリエイティブスタジオ「人事のミカタ」編集長の手塚です。

毎週金曜朝に開催される、読書LT会こと「デジブックMeetUP」。私自身も登壇する機会がありましたので、当日の内容を少しだけご紹介します!

読んだ本は、働くみんなの必修講義「転職学」。なぜ人は転職するのか?何が起きると転職を決断する?転職後に定着するには?他、働く上で知っておきたい「転職の原理原則」が学べる一冊。ぜひご参考ください。

働くみんなの必修講義「転職学」
著者 : 中原淳さん
立教大学経営学部教授。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、組織開発を研究。

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まず、今回「デジブックMeetUP」に登壇する上で、HR系の本を紹介しようと決めていました。

数多あるHR系の本の中でも、直近で読んだこの「転職学」は、アカデミック領域の中原先生が、1万2000人の求職者に対する大規模調査と科学的な分析をされている点が学びになると思い、選びました。

とくに、「人材系企業で働く人」にこそ必修講義と言っても過言ではないほど、転職する理由~入社後の定着など一連の転職プロセス全般を網羅されており、一度も転職したことがない新卒社員にはとにかく知っていてほしい話ばかりだとも感じました。

「転職学」自体は、講義形式で、オリエンテーションから第8講までの筋立て。前述の通り、転職のきっかけ~入社後の話まで幅広く網羅しているため、登壇では「なぜ、人は転職するのか」の部分に絞って紹介します。

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さて、これは何故だと思いますか?

「やりたい仕事が見つかった」「給与が上がらない・安い」「人間関係が悪い」...とにかく色々離職・転職が頭によぎる瞬間があると思います。これ、実は方程式があるんです。

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一般的には、「職場への不満」が高ければ高い人ほど転職するよね、と思うものも、現状から変わりたくないという「抵抗感」を上回らなければ、転職に向けて動かないという点が、なるほどと思ったポイント。

退職届を出したり、転職サイトに登録したり、何回も面接して、やっと転職先に入ってもそこは正しい選択かはわからない。そのストレスの高さたるや、自分の転職した時を思い出して、そうだよなあと。やっぱり止めておくという「抵抗感」、ありますね。

一方、「職場への不満」も様々な調査がされており、内容はこれも「わかる」の連続。具体的には、「一般的に抱きやすい不満」と「転職につながりやすい不満」は違うこと。「不満が将来的に解消できる場合と、将来的にも不満解消できない場合の離職意向の違い」や「離職のスイスチーズ・モデル」など、詳細はぜひ本を手にとってご確認ください!

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- 転職へのネガティブなイメージが強い(社会的な理由)。
- 現状維持バイアス・損失回避(何かを得るより失うことが怖い)。
- サンクコスト効果(過去からの投資を回収できなくなる)

基本的には、仕事を変えること、職場を変えることが、こと日本においてはまだまだよく見られないというイメージの他、現状をできることなら維持したいという抵抗感が発生するとのこと。

「転職」は、勤労者のストレスランキングの中で全体の6位。5位の「夫婦の別居」に次ぐストレスであり重いライフイベントであることからも「抵抗」を生むことが見て取れます。

その他にも、自身の抵抗だけでなく、配偶者による転職への抵抗、通称「嫁ブロック・夫ブロック」にも言及。いくら今の職場への不満が高くても、家族から抵抗感高くブロックされれば、方程式のとおり転職できないことに。。。妻から夫の仕事へ求めること、夫から妻の仕事へ求めることの違いがブロックの背景にあることも分析結果からわかっています。

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Employabilityは直訳すれば、「雇用される能力」ですが、「現在とは違う会社や仕事に移ることのできるか可能性」を指し、「転職力」と名付けられています。

では一体、「外の世界で活躍できる可能性が高くなる力」とは、どういうものなのでしょうか。2つの側面があると言います。

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一つは、個人が持っている知識や経験、資格、仕事のスキルなどステータス(性質)としての転職力。もう一つは、転職における職務経歴書の書き方や、自己PRの仕方など、行動面での転職力と定義。この二つを総合して、「外の世界で活躍できる可能性が高くなる力」=「転職力」としています。

「転職力」は、個人が努力して習得したり、向上させることも可能。たとえば、転職活動を始めて思っていたよりも書類選考や面接が通過しないなり、上手くいかない現実にぶつかったとき、内省して自己認識を改めたり、アクションを調整することは、「転職力」を向上させることに繋がります。

と、「転職の方程式」について、つらつらとご紹介しましたが、「転職学」の中では、まだまだ前半のお話。この後、「日本人と「大人の学び」の心理分析」、「地方転職から副業まで「流行りの転職」の虚実」、「特別集中講義、新しい組織に馴染む科学的な方法」、「これだけは知りたい「ミドルの転職」」、「「辞めた会社」との付き合い方とは」と、人材業界人なら知っておくべき講義が続きます。

ここまで読んで、興味を持った方は、ぜひ本を手にとってご確認ください!

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